こんにちは、大鈴佳花(おおすず・よしか)です。
「なぜ私の人生は辛いことばかりなの?」
この記事を読んでいるあなたは今、このように感じているかと思います。
この記事では、人生が辛いと感じてしまう4つの原因と3つの対処法について解説します。
Contents
なぜあなたの人生は辛いことばかりなのか?原因は考え方のクセかもしれない
過去の研究から、辛いことがあったときにどう解釈するかで、ストレスを感じにくくすることができるとわかっています。
たとえばあなたはプロジェクトマネージャーで、同僚のミスで顧客に大きな迷惑をかけてしまったとしますね。
同じ出来事でも、「あいつのせいで!と同僚を責め、もう一巻の終わりだ…」と辛い気持ちを味わうこともできます。
「一から原因追究をし、ミス防止の対策をしてチームとして大きく成長するチャンス!」と、ポジティブにとらえることもできます。
このように、物事へのとらえ方を変えることで、その後味わう感情を制御することを「認知的感情制御」と言います。
「人生山あり谷あり」という言葉がありますね。山だけの人生も、谷だけの人生もないでしょう。
もしあなたが人生辛いことばかりと感じるのであれば、人生に起こる出来事の解釈の仕方が、うまくいっていないのかもしれません。
(参考:辛いことがあったときにどうやって感情をコントロールすればいい?)
人生辛いことばかりと感じる原因になる4つの考え方
認知的感情制御には、否定的なもの・肯定的なものを合わせて、全部で9つの方略があります。
その中でも、抑うつや不安など精神的にネガティブな影響を及ぼしやすいのは、以下の4つです。
とくにその中の前半2つの考え方は注意が必要です。
なぜならそれらの考え方をした結果は、「気持ちが楽になる」「自己成長」などの生産的な方向にはつながらないものだからです。
- 考え方1. 悪い部分ばかりが気になる【破局的思考】
- 考え方2. 不快なことについて何度も考えてしまう【反芻】
- 考え方3. 自分を非難する【自責】
- 考え方4. 相手を非難する【他者非難】
(参考:認知的評価は認知的感情制御と精神的健康の関連をいかに調整するか1 榊原良太)
考え方1. 悪い部分ばかりが気になる【破局的思考】
破局的思考とは、極端に出来事の悪い点を強調する思考のことを言います。
これは悪い点ばかりに着目し、視野が狭くなってしまっている状態です。
たとえば、ちょっと仕事でミスをしただけで「仕事ができない自分はなんてダメ人間なんだ!」などと、自分を認められなくなってしまう状態に陥ったり、「もうこの世の終わりだ!消えてしまいたい」など、極端に悲観的な見方をしてしまうこともあります。
考え方2. 不快なことについて何度も考えてしまう【反芻】
ネガティブな出来事について、繰り返し考えてしまうことを反芻と言います。
ネガティブな気持ちを一時感じたとしても、気持ちの切り替えができればダメージが少ないですが、反芻の状態は嫌なことを何度も考えてしまいます。
その結果、辛く不安な気持ちを増幅させてしまいます。
考え方3. 自分を非難する【自責】
ある出来事について、「自身」を非難する思考のことです。
自責することで今後の成長につながる場合がありますが、その一方で、自分を非難する気持ちが強すぎると、自己嫌悪を強く感じ辛くなっていきます。
考え方4. 相手を非難する【他者非難】
ある出来事について「他者」を非難する思考のことです。
他者を非難して自分のせいにしなければ、一瞬気持ちが楽になったように感じることがあります。
ただ他者を非難する気持ちが強すぎると、怒りや憎悪などを感じ、自分も辛くなってしまいます。
人生辛いことばかりと感じたときにあなたを救う3つの対処法
「人生辛いことばかり」と感じる主な原因が分かりましたか?
そこでここでは実際に辛いと感じているときに、どのように対処すればいいか紹介していきますね。
- 対処法1. 自分の成長につながったと考える
- 対処法2. マインドフルネス瞑想でネガティブな気持ちから距離を置く
- 対処法3. ちいさなモヤモヤは「気晴らし」で解決
対処法1. 自分の成長につながったと考える
否定的な捉え方をしてしまうと、人生辛いことばかりと感じてしまうものですね。
でも反対に「肯定的再評価」ができれば、ネガティブな感情を少なくすることができます。
「肯定的再評価」とは、「この経験が今後の成長につながるはずだ」というように、解釈を肯定的に変化させることを言います。
大切なのは、辛くてどうしようもない出来事が起こったとしても、それを「すべては自分の成長のため、学びのため、さらなる幸せのために起きている」と俯瞰して捉えることです。
最初は簡単にはいかないかもしれません。
少しずつ訓練することで、そのように捉え方を変化させていくことができますよ。
悪い出来事に対して、すぐに感謝することは難しいものですね。なぜそんなことが起きたのか、すぐには分からないこともあるでしょう。
でも、その出来事と向き合い少しずつでも自分を変えていければ、「あのときが転機だった。あの出来事のおかげで今の自分がある!」と思える日が必ず来るでしょう。
また、「苦しいのは一時のことだ」と再評価することも効果的です。
一年前、あなたはまったく同じ状況で、同じ悩みを抱えていたでしょうか?
「万物は流転する」という言葉があります。
この世に存在するあらゆるものは移り変わっていくことが自然です。良くも悪くも、永遠に続くことはないのです。
あなたを苦しませているその出来事が、一年後もずっと続くとは限らないし、急に解決することもあるでしょう。
深く悩まず、捉え方を変えるようにしていきましょう。
(参考1 :再評価の感情制御効果と精神的健康への影響 榊原良太)
対処法2. マインドフルネス瞑想でネガティブな気持ちから距離をおく
辛い出来事に対して「肯定的再評価」をできればいいですが、そうは言っても、なかなかできないこともありますね。
思い出すだけでも辛く感じてしまい、向き合うことが難しいこともあるでしょう。
そんなときに取り入れやすいのが、「マインドフルネス瞑想」です。
「マインドフルネス瞑想」とは、「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく能動的な注意を向けること」です。
やり方は、自然に呼吸し、呼吸に能動的に意識を向けます。評価や判断をせず「いまここ」に集中します。
いろいろなことが思い浮かぶかもしれませんが、それらはただあなたの頭の中を通り過ぎていきます。
できるだけ何も考えず、「呼吸」のみに集中することで、ネガティブな思考から距離をおけるようになります。
これは訓練すれば、誰でも簡単にできるようになります。
ネガティブな思考にとらわれていると、何をしていても気になってしまうものですね。
でも、ただ「呼吸」に集中していると、ザワザワした思考から離れることができ、自分の内側には、静寂が広がっていることに気づくでしょう。
イメージとしては、たとえばその日、同僚と楽しくランチした後に、仕事で上司に厳しい指摘を受けてしまったとします。
あなたの空には、「楽しい」「辛い」など様々な感情の雲が広がっていますが、それらは一時的な感情です。
どんな感情もあなたがつなぎとめなければ、いずれ流れ去っていきます。雲が流れ去った後には、ただ穏やかな青空が広がっています。
あなたは、「辛い」雲ばかりに集中していつまでもつなぎ止めることもできます。「楽しい」雲に意識を向けることもできます。
または雲ではなく、青空に意識を向けて、離れたところから客観的に感情を観察することもできます。そしてどんな雲がきても、心穏やかな自分を選ぶこともできます。
どの感情の雲を選ぶのか、雲の向こう側の青空に意識を向けるのかも、すべて自分次第なのです。
そして、辛い感情から距離を置いたときに、きっとあなたは気づくでしょう。
辛い出来事が起こったから辛いのではなく、辛い感情を握りしめているから、辛かったのだと。
(参考:マインドフルネスにみる情動制御と心理的治療の研究の新しい方向性 杉浦義典)
対処法3. ちいさなモヤモヤは「楽しいことを考える」で解決
どうしても解決しなければならないような大きな問題ではなく、取るに足らないちいさなモヤモヤであれば、他の楽しいことを考えることで不安や辛い気持ちを消すこともできます。
あなたが心地よくいられることが、何より大切です。
幸せなことに注目したり楽しい気持ちを感じているうちに、自然と自分を取り戻し、気づいたら問題が問題ではなくなっているでしょう。
(参考:認知的評価は認知的感情制御と精神的健康の関連をいかに調整するか1 榊原良太)
人生辛いことばかりと感じたときに避けるべき3つのこと
これまでお伝えしたこととは反対に、ここでは辛いことがあったときに避けたいことを紹介していきます。
以下の3つを避ければ、辛い気持ちや不安をふくらませずに済むでしょう。
- 避けたいこと1. 悪いところばかりに注目しない
- 避けたいこと2. 何度も思い出して考えを煮詰めない
- 避けたいこと3. 解決したいことは人のせいにしない
避けたいこと1. 悪いところばかりに注目しない
先ほど紹介した「破局的思考」をできるだけ避けましょう。
出来事も人も、良い面も悪い面も、両面あるのが自然の状態です。様々な視点から出来事や人を捉えるようにし、極端に悪い方向に考えないようにしてください。
自分一人で考えていると、どうしても悪いところばかり目についてしまうことがあるものですね。
そんなときは誰か他の人の意見を聞くのをお勧めします。自分だけで考えていたときよりも視野が広がっていくはずです。
真面目で一生懸命な人ほど、ちょっとしたミスでも自信をなくしたり大ごとに捉えがちですが、勇気を出して周りの意見を聞いてみたら、案外そこまで大それたことではなかった、なんてことはよくあることです。
気の許せる友人や同僚と少し雑談をするだけでも、何か良い変化があるかもしれません。
SNSでは幸せな部分ばかりが強調されていて、みんな完璧な人生を送っているように思えるかもしれません。だから、それに引きかえ私は…そんなふうに感じてしまうことがあるかもしれません。
でもよく感じてみると、素晴らしい成功の裏にはそれまでの苦労や乗り越えてきたことがあったり、みんな日々いろいろな葛藤がありながらも懸命に生きていたりします。
みんなそれぞれの立場で、様々なことを経験しているものです。良いことも悪いことも経験しているのが人生というものなんですよ。
だからあなたも、悪いところばかりに注目するのではなく、それも人生の中の一つの経験として捉えていきましょう。
避けたいこと2. 何度も思い出して考えを煮詰めない
辛いことがあると、寝ても覚めてもそのことばかり考えてしまったりするものですね。
どうでもいいことならすぐに忘れて気持ちの切り替えもできますが、自分にとって大切なことは、何度も思い出して考えてしまうでしょう。
自分にとって大切なことは、無理に楽しいことを考えて気を紛らわすのは難しいものです。かと言って、いくら考えても答えが出ないこともあります。
そんなときは一旦距離を置いてみましょう。
距離を置くことで煮詰まっていた考えから離れることができ、違う視点で見ることができるようになったり、他のことに集中しているうちに頭が整理されて、自然と良いアイデアが浮かんでくることがあります。
何度も同じ出来事について思い詰めて考えずに、一度その思考から離れてみましょう。
また、瞑想に慣れていなかったり、瞑想するための時間が取れなかったりすると、マインドフルネス瞑想はハードルが高い場合もあるかもしれません。
そんなときは、呼吸を意識し、五感を研ぎ澄ませて、ただ歩くこと・ただ食べることなどに集中するだけでもOKです。
過去の辛い出来事に心を痛めたり将来を心配し過ぎることをやめ、呼吸と感覚を一つ一つ丁寧に感じて、「今ここに意識を集中する」ことができれば、マインドフルな状態になることができますよ。
避けたいこと3. 解決したいことは人のせいにしない
悪い出来事を誰かのせいにしていれば、一見楽なようにも感じます。でも、本当に解決したいと思うのなら、絶対に人のせいにしてはいけません。
人生に起こる悪い出来事を他人のせいにしていると、自分の中の怒りや憎悪が増幅し、余計に辛くなってしまうのです。
自分自身を傷つけないためにも、人のせいにして逃げるのではなく、自分の何を変えれば解決できるか、よく向き合うことが大切です。
人生は自分で創っています。良いことも悪いことも自分自身で創造しています。
…ということは、悪い出来事は自分で解決できるということです。なぜなら自分で創造したのですから。
悪いことが起こったら、自分の何が原因でそれが起きたのか感じましょう。
そしてその出来事をきっかけに、人生をより良い方向へ変えていくぞ!とポジティブに捉え直してください。
そう決意すれば、必ず良い方向へと変化します。人生は自分が決めた通りになるのですよ。
まとめ
今でこそ私は幸せな人生を生きているように見えますが、過去の私はそうではありませんでした。
いつも問題が山積みで、にっちもさっちもいかない状態でした。
自分と向き合わず、何かや誰かのせいにしているうちは、いっこうに人生は良くなりませんでした。
でも、起こる出来事は「自分次第で変えられる!」と気づいてから、私の人生はみるみる良くなっていったのです。
そうは言っても、今現実的に問題を抱えている人は、自分次第で人生が良くなるなんて、すぐには信じられないかもしれません。
でもそれでも人生は、「自分が変化させているのです」
偶然良いことが起こることも、偶然悪いことが起こることもなく、その原因はすべて自分にあると考えて向き合えば、必ず人生は一変します。
具体的に、あなたの人生に問題が起こっている原因を感じてください。思いつく限り紙に書き出してみましょう。
原因がいくつも出てきたら、それを一つ一つクリアしていきましょう。そうすれば必ず上昇していきます。
人生はいつからでもやり直すことができる。自分の人生をあきらめないでくださいね。
あなたの輝く未来が叶いますように、私はいつも応援しています。