しあわせのレシピ

不安に駆られる理由と、効き目がある5つの対処法

こんにちは、大鈴佳花(おおすず・よしか)です。

どんな人でも急に不安が襲ってきたり、どうしたらいいか分からなくなるときってありますよね。

この記事では、そんな不安に駆られたときに試してほしい5つの対処法について紹介します。

現代はとくに不安に駆られやすい時代

インターネットとソーシャルメディアの普及で、現代を生きる私たちは色々な情報が得られるようになりました。

その反面、悪い情報も簡単に得られるようになり、不安状態になる人が増えてしまいました。

とくにスマホの利用機会が多い1997年以降生まれのZ世代は、どの世代より心の健康状態が悪いことが明らかになっています。

ロサンゼルスの心理療法士、ジェニー・テーツ氏は「銃撃や強盗などの情報が(自分のスマホに)どんどん入ってくれば、リラックスなんてできない」と指摘しています。

(参考:最も不安に駆られるのは大卒者 脳が不安に支配されるのはなぜ?)

不安に駆られる理由3つ

先に述べた理由以外の、不安に駆られる理由を3つ紹介していきます。

あなたが不安を感じやすいのは、単に心配症だから、というだけではありません。

  • 理由1.先の見えない未来のことを考えている
  • 理由2.風邪や病気などで体調が優れない
  • 理由3.不安障害の可能性もある

理由1.先の見えない未来のことを考えている

なぜ、あなたは不安に駆られているのでしょう。

それは現在ではなく、先の見えない未来のことを考えているからではないでしょうか?

たとえば、お金のことや仕事のこと、恋愛のことなど、この先どうなるのかという不安があるかもしれません。

先がどうなるか分からない未来を考えたとき、私たち人間の脳は、無意識に空白を埋めようとします。

その空白を埋めるときに、危険という前提で埋めようとすると、失敗や危機的状況という否定的な推測をしようとします。

「上手くいかなかったらどうしよう」「失敗するかもしれない」などといった否定的な思考が働き、やがて否定的な感情である不安が生じてしまいます。

(参考:今ある不安を解消する2つのカギ)

理由2.風邪や病気などで体調が優れない

風邪や病気などで体調が優れない状態だと、免疫細胞が活性化し、不安行動を高めるという研究結果があります。

免疫活性化によって、不安や恐怖が高まると、先の見えない未来のことをついつい考えてしまうのです。

心の状態は、肉体の状態によっても影響されます。

また、風邪や病気でなくても、慢性的な疲れがある場合も不安になりやすいです。
そんなときは、考えるよりも休んだ方がいいですね。

体調が優れない状態で考えても、ネガティブな気持ちになりやすく、体調が良いときのような正常な判断がしにくいためです。

(参考:「病気になると不安になる」原因の一つが免疫細胞の活性化であることを解明)

理由3. 不安障害の可能性もある

不安や心配を感じやすいあまりに、日常生活に影響が出るようなら不安障害の可能性があります。

精神的な不安により、心や身体に様々な不快な症状が出てしまいます。

人によってどんなものに不安を感じるかは違いますが、自分が何か特定の場面で不安を覚え、そのことが頭から離れなくなったり、動悸などが起こる場合は日常生活に支障が出やすくなってしまいます。

このような状態のときは、医療機関やカウンセラーなどに相談することも視野にいれましょう。

(引用:こころもメンテしよう)

(参考:不安症の概要)

不安に駆られたときの5つの対処法

不安に駆られたときの対処法を5つ紹介していきます。

不安を感じたその瞬間に試しやすい方法から順に紹介していきます。
上から順に試してみてくださいね。

  • 対処法1.深くゆっくりと呼吸する
  • 対処法2.筋弛緩法でリラックス
  • 対処法3.何が不安なのかを明らかにする
  • 対処法4.自分なりの「コーピングリスト」を作る
  • 対処法5.生活習慣を整えてセロトニンを増やす

対処法1.深くゆっくりと呼吸する

ストレスや緊張を感じていると呼吸は浅く、速くなります。

呼吸と精神状態は連動していて、ストレスや緊張を感じていると、呼吸は浅く、速くなりやすいのです。

ということは、呼吸の深さと速度を変えることで、気持ちを落ち着けることができます。

身体と呼吸は密接に関係していますが、普段は無意識に呼吸している人が多いのではないでしょうか?

不安な気持ちを落ち着けたいとき、まずはあなたの呼吸に意識的になってみましょう。
私たちは意識して呼吸をコントロールすることもできるのです。

深くゆっくり呼吸をすることで、リラックス状態になります。心配や不安を感じているときほど、深くゆっくり呼吸することを心掛けてみましょう。

腹式呼吸は医学的にも、副交感神経の活動を活性化する効果があることが確認されています。

まず全身の力を抜いてリラックスしましょう。

そして、口からゆっくりと長く息を吐いていきます。

このとき下腹部をへこます感じで息を吐いていき、苦しくならないところで、下腹部を膨らませる気持ちで、鼻から息を自然に吸っていきます。

これを5分から10分程度、繰り返していきます。

吐く息に気持ちを落ち着ける効果がありますので、リラックス効果を高めるために、吐く息に注意を向けて、身体の緊張も息と共に吐き出すことをイメージしながら、脱力していきましょう。

対処法2.筋弛緩法でリラックス

筋弛緩法(斬新的筋弛緩法・ぜんしんてききんしかんほう)とは、アメリカの精神科医のエドモンド・ジェイコブソンが開発した方法です。

ジェイコブソンは筋肉の緊張と精神活動の関係を分析した結果、精神の緊張は筋肉の収縮をもたらし、筋肉の弛緩と精神のリラックスは関係することを発見しました。

そこで体の各部位に力を入れて抜くというのを繰り返すことで、体の緊張が和らいでリラックスする方法を開発していきました。

まずは体の一部分から弛緩させ、しだいに身体の主要な筋肉、そして体全体を弛緩させていきます。

順を追って緊張と弛緩を繰り返すことで、しだいにリラックスすることができます。

その結果、日常的な不安が減り、気持ちを落ち着けることができるのです。


たとえば、お腹に意識を向けて筋弛緩法を行う場合、お腹に手を当て、その手を押し返すように10秒間、力を入れます。

その後、20秒間脱力します。力を入れているときも、抜いているときも、その部位の感覚をしっかりと味わいましょう。

体に意識を向けることで、思考が止まり、リラックスすることができます。

とくに脱力しているときの、じんわりとゆるんでポカポカした感覚に意識を向けると良いです。

ただし、筋弛緩法をしている最中に不安感が高まったら直ちに中断してくださいね。

(参考:漸進的筋弛緩法 「PMR」 について)

(参考:斬新的筋弛緩法)

対処法3.何が不安なのかを明らかにする

不安に思っていることを具体的に紙に書き出しましょう。

ただ漠然と不安を感じているだけでなく、あなたが何を不安に思っているのかを明らかにすると、安心感が生まれ、不安と向き合いやすくなります。

また、紙に書き出すことで、頭の中にあるときより客観的に不安を見つめやすくなります。

何が不安なのかを書き出したら、その不安に思っていることは過去に起こったことがあったか、そしてそれが未来に起こる確率は何パーセントかも書き出してみましょう。

あなたが不安に思っていることがこれまで起こったかを書き出すと、意外にも起こったことがないと気づくかもしれません。

また、これから起こる確率を考えてみると、それほど高くないことに気づくかもしれません。

そしてもし、不安なことが高確率で起こると思われるときは、最悪の事態が起きたときにどうしたらいいか、対処法を考えてみましょう。

具体的な対処法を用意しておけば、漠然とした不安はなくなり、対処するための行動に焦点をあてることができます。

対処法4.自分なりの「コーピングリスト」を作る

コーピングとは、ストレスへの対処法のことを言います。
上記に紹介した呼吸や筋弛緩法なども、心理学ではコーピングに当てはまります。

不安の内容によって「問題焦点型コーピング」と「情動焦点型コーピング」があります。

前者は、問題に焦点を当て解決を図り、ストレスの原因を取り除く方法です。
後者は、ストレスから生じる不快な気持ちを気晴らしなどでコントロールする方法です。

解決できる不安なら、不安を明らかにして解決する「問題焦点型」を使いましょう。

対処法3で書いたように、不安を明確にした上で、不安を解消するための対処法を考えてみましょう。

また一人で考えるだけでなく、不安な状況を回避するために周囲に相談することもいいですね。

自分では思いつかないような解決方法を知ることができるかもしれません。

一方で、気晴らしして気持ちをコントロールしたいなら、自然や動物に触れるなど「情動焦点型」を活用しましょう。

不安があまりにも大きすぎるときには、問題から離れて気分転換することも大切です。
気晴らしをするうちに気持ちが晴れて、良い解決策が見つかることもあります。


そして、頼れる人が多い方が安心するように、コーピングリストも断然多い方がいいです。
思いつく限りのコーピングリストを、たくさん用意しておきましょうね。

(参考:~心理学的に正しいストレスの乗り切り方~)

対処法5.生活習慣を整えてセロトニンを増やす

脳内の神経伝達物質のセロトニンが不足すると、精神が不安定になり、不安症状が起こります。

セロトニンが他の神経伝達物質であるドーパミン(喜び、快楽)などや、ノルアドレナリン(恐怖、驚き)などの情報をコントロールし、精神を安定させる働きがあるためです。

太陽の光を浴びること、セロトニンを増やす食事、十分な睡眠、一定のリズムで同じ動作を繰り返すリズム運動などを意識してみてください。

脳内にセロトニンが十分にある状態を作り、不安が起こりにくくなるようにしましょう。

太陽の光を浴びる時間は季節や天候などにも左右されますが、一日20〜30分程度が目安とされています。

セロトニンの合成には太陽の光が不可欠です。
不規則勤務や昼夜逆転の生活をしている人は、なるべく太陽の光を浴びるように生活を整えてみてください。


食事では、セロトニンの材料となるトリプトファンが多く含まれる食材を食べましょう。

魚、肉、大豆製品、バナナ、卵、ナッツなどです。


また、睡眠時間は一般的には7〜8時間が理想とされています。

難しいときには午後2時から4時の間に15分程度仮眠を取ることがおすすめです。

(引用:セロトニン e-ヘルスネット)

(参考:睡眠とセロトニン)

(参考:日本クリニック株式会社セロトニン)


不安に駆られるときにやめた方が良いこと

最後に、不安なときにやめた方がいいことを2つ紹介していきます。

不安を感じているときは、自ら不安を煽るようなことはしないことが大切です。

不安な気持ちに流されたり無関心でいるのではなく、意識的にあなたを不安から守る選択をしていきましょうね。

  • やめること1.何もせずに放っておく
  • やめること2.不安なことを検索する

やめること1.何もせずに放っておく

適度な緊張感はパフォーマンスを高めるので必要です。

安心しすぎていると油断してしまったりして、良いパフォーマンスを上げにくくなります。

ある一定の地点まで、きちんと緊張感を持っているほど、パフォーマンスが上がりやすくなるのです。

しかし、不安が度を越しすぎると、不安にばかり焦点がいってしまい、逆にパフォーマンスが下がってしまいます。

ですから不安を感じたら何もせずに放っておくのではなく、不安と向き合い対処することで、予測できるミスやトラブルを予防しましょう。

一方で、度を越した不安の場合、不安に思ったことが起こる確率があまりにも低い場合があります。

あらかじめ不安に対する対処をここまですると決めて実行したら、意識から離しておいてください。

また上記の5つの対処法を実行し、不安感を和らげることも大切ですよ。

やめること2.不安なことを検索する

不安なことがあると、何だか気になってしまい、色々とインターネットで検索してしまうことってありますよね。

でも、対処するわけでもないのに不安なことばかり検索すると、不安要素ばかり目についてしまい、かえって不安が増してしまいます。

ですから、不安だからといってむやみやたらに不安なことについて検索することはやめましょう。

ただし、不安に対処するための調べものであれば、問題ありません。
不安への対処法が見つかり、不安が払拭されることがあるためです。

検索をするのであれば、ダラダラ不安なことについて検索するのではなく、不安への対処法へのヒントを意識的に探してみてください。

まとめ

今、世の中や未来に対して不安を感じている人もいるかもしれません。

もしあなたが不安を感じていたら、その不安を解消してください。

なぜなら不安があるとそれに意識を取られ、やりたいことにチャレンジできなくなるからです。

より良い人生を叶えるには、不安を解消することと、チャレンジのこの二つはセットになっているんですよ。

また、不安というのは自分の感じる感情なので、他人が解消することはなかなか難しいものです。

他人がいくら不安に感じなくても大丈夫だと説明しても、自分の感じる感情だからです。

ですから不安は「自分で解消」する必要があります。

それには、ここに書かれたことを一つひとつ試してみて、自分に合うものを見つけてくださいね。

不安が解消されると人生に集中でき、人生がもっと楽しくなっていきますよ。

あなたの輝く未来が叶いますように、私はいつも応援しています。