しあわせのレシピ

「片付けられない」のは意志のせいじゃない。夢を叶える「片付け脳」の作り方

こんにちは、大鈴佳花(おおすず・よしか)です。

私が主宰する5か月コースのセミナー「佳花塾」の塾生からは、「片付けられない」という相談が繰り返しあります。

塾生は「部屋が片付いていないため、やりたいことができない」「部屋に気をとられて、毎日疲れている」「部屋が片付けられない自分に、何年も絶望している」と言うのです。

なぜこれが重要な相談かというと、夢を叶えるには「部屋の状態」が大きく関わっているからです。

片付けられない人は往々にして自分を責めていますが、意志が弱いせいではありません。片付けができる人とできない人では、脳の働きに違いがあるのです。

そこでこの記事では、脳科学から見た「片付けられない理由」と「片付け脳の作り方」をお伝えします。ぜひ読んでくださいね。

部屋が片付いていないと、夢が叶わない理由

このブログでは今年に入ってから、「夢を叶える」ということについて、さまざまな角度からお伝えしています。

今回お伝えしたいのは、「片付け」です。

私はセミナー講師として、たくさんの受講生の相談を聞き、その人生を見てきました。そして私自身も、いくつもの夢を叶えてきました。

その経験から感じているのは、夢を叶えるためには、部屋の状態も大切だということです。

「片付けと夢を叶えることに、何の関係があるの?」そう思う人もいるでしょう。

でも実は、片付けと夢を叶えることは、ダイレクトにつながっています。なぜなら、片付けができる人とできない人では、脳の働きに違いがあるからです。

今回は、なぜ「片付け」が夢を叶えることにつながるのか、その理由をお伝えします。

1. 「セルフイメージ」が低い

よく「部屋の状態は、その人自身を表す」と言われます。私は、本当にその通りだと思っています。

なぜなら部屋には、「自分はどんな『状態』がふさわしい人間か」という、自分自身に対するイメージが表れるからです。

たとえば、部屋が散らかっていても気にせず過ごせるとしたら、「このくらいの状態が自分にはふさわしい」と感じているということです。

そんな環境で毎日過ごしていると、脳が「これが自分にとってふさわしい状態だ」と認識し、自分のたたずまいや振る舞いにもそのセルフイメージが反映されます。

その結果、他人からも雑に扱われることが多くなってしまうのです。そんな状態では、夢を叶えることは難しいですよね。

逆を言えば、部屋を片付けることで脳に変化を起こすことができ、「夢を叶える人生」にシフトできるということです。

2. 「完了する」習慣がない

引き出しが開いたままになっている。洗面台の扉がきちんと閉まっていない。歯みがき粉のフタが開いたまま。物を置く場所が決まってなく、あちこちに散らばっている……

部屋がこのような状態なら、「その人がどんな人生を送っているか」が想像できます。

「出したら出しっぱなし」「やったらやりっぱなし」という状態で暮らしていると、脳はその状態を覚えてしまうので、「あらゆることを途中でやめ、完了させない」癖がつくのです。

そして脳のその癖が実生活にも反映され、仕事でも「あとでやろう」と途中のままにしたり、人間関係でも伝えるべきことを伝えないまま終わらせたり……

「すべてにおいて中途半端な人」になります。


夢を実現するには、決めたことを最後まで行動して、ひとつずつ完了させていく必要があります。

そう考えると、夢を叶えることが難しくなるのも当然ですよね。

反対に、夢を叶えていく人は、日常の小さなことでも「最後まで終わらせる」癖がついています。

夢を「達成」する力は、日々部屋を片付けることで高めていくことができるのです。

3. つねにストレスにさらされている

片付いていない部屋にいると、なんとなく落ち着かなかったり、疲れを感じたりすることはありませんか?

実はこれ、気のせいではありません。

片付いていない環境がストレスにつながることは、数々の研究でも示されています。


2001年から2005年にかけて、アメリカ・ロサンゼルスで32世帯を対象にした調査が行われました。

この調査では、家の中にどれくらい物があるか、参加者が自宅をどのように感じているか、そして唾液に含まれる「コルチゾール」というストレスと関係するホルモンの変化を調べました。

その結果、参加した家族、とくに母親が部屋の状態についてどのように語るかと、コルチゾールのレベルに関連が認められました。

物がたくさん目に入る状態は、「終わっていない家事」を思い起こさせるため、ストレスにつながることがあります。

つまり、片付いていない部屋にストレスを感じるのは、気持ちの問題ではなく、目の前の環境に対して、脳や身体が反応している部分もあるのです。

4. 脳のパフォーマンスに影響する

散らかった環境は、脳の働きにも影響します。

認知神経科学者エドワード・フォーゲル氏らの研究によると、人間の脳が一瞬で処理・記憶できる容量は、わずか3〜4個程度しかありません。

そのため、部屋に物がたくさんあると、それだけで脳はたくさんの情報を受け取ることになります。

たとえば、机の上に書類や本、使っていない物などがたくさん置いてあるとします。

本当は目の前の仕事に集中したいのに、脳は目に入る物を無意識に処理しようとします。

すると、本当に集中したいことに使える脳の力が少なくなり、仕事の効率も下がってしまいます。

つまり、記憶力や仕事の速さは、「脳の容量」だけで決まるわけではありません。

必要のない情報をどれだけ減らせるかが、脳を上手に使うために大切なことになります。

だからこそ、目に入る余計なものを減らすことで、脳が本当に大切なことに集中しやすい環境をつくることができるのです。

なぜ片付けられないの?自分を責めなくていい「脳の理由」

部屋を片付けて、きれいな空間で暮らしたいと思っているのに、なぜか片付けられない。そんな自分を「怠けている」「だらしない」と責めている人はとても多いです。

しかし近年の研究で、「片付けられない理由は、脳にある」ということがわかっています。

片付けは、実はとても複雑です。

目の前の物を「いる・いらない」に分けたり、どれから手をつけるか判断したり、作業の順番を考えたり……つまり、片付けは脳のいろいろな機能を一度に使う作業なのです。

もし、その中のどれかの働きが弱いと、「片付けたいのに体が動かない」「始めても途中で止まってしまう」という状態になります。

また、睡眠不足などで脳がしっかり休まっていないだけでも、片付けに取りかかる気が起きなかったり、片付けを始めてもうまく考えられなかったりするのです。

片付けられない「脳の理由」と「片付け脳」を育てる6ステップ

ここでは「片付けられない」理由を脳の仕組みから説明し、「片付け脳」を育てる方法をご紹介します。

片付けられない悩みを持つ人は、「片付けの方法」について、今までにたくさん調べて、よく知っていると思います。

「それでも、なぜか片付けができない」ことに悩んでいるんじゃないでしょうか。

ここでは「片付けの方法」ではなく、その方法を実行できる「片付け脳」へと、自分の脳を育てていく方法をお伝えしますね。

どれも日常の中でできる小さな工夫で、「こんなことが、片付けと関係あるの?」と思うかもしれませんが、脳科学的に根拠のあるものばかりです。

ステップ1:「動作を完結させる」習慣をつける

もし、いつも歯みがき粉のキャップが開いたままになっているなら、歯みがき粉を歯ブラシに出した流れで、必ずキャップも閉めるようにしましょう。

いつも食器棚の扉が「かすかに」開いたままになっているなら、食器を出した動作の流れで、必ず扉を閉めましょう。

このように、「1つの動作を、最後まで完結させる」ことを心がけてみてください。

これは、脳に「新しい動作のパターン」を記憶させることが目的です。

脳は「よくやる動作」をパターン化して記憶しています。

今までは、「途中で次の動作に移る」パターンを記憶していたのを、「完結するところまで」を「ひと区切りの動作」として、脳に新しく覚えてもらいます。

「片付けられない癖を直す」というような道徳的な意味ではないので、自分を責めることなく、淡々と取り組んでくださいね。

ステップ2:判断を速くする

片付けがなかなか進まないときは、「判断する力」を担当している脳の働きが弱まっている可能性があります。

片付けは、目の前の物を「いるもの」と「いらないもの」に分けるところから始まります。

つまり、判断力が落ちていると、最初のステップでつまずき、作業が進まなくなるのです。

実は、日常の中で意識的に「判断する場面」を増やすことで、判断力を鍛えることができます。


たとえば外食のとき、メニューを見て長く悩んでしまう人は、あえて短時間で注文を決めるようにします。

スーパーで買い物をするときは「15分で店を出る」と決め、その時間内で買い物を済ませるようにします。

こうした習慣を続けると、商品を前にして「買うかどうか」で迷う時間が減り、サッと決められるようになるのです。

意識して判断を繰り返すことで脳がその作業に慣れ、判断力が少しずつ強くなっていきます。

経営者など、つねに決断を求められる人たちが判断力に優れているのは、日頃から脳のその領域を使い続けているためでしょう。

ステップ3:運動を意識する

「片付けをやりたい気持ちはあっても、どうしてもスイッチが入らない」そんな状態の人もいます。

これは「やる気の問題」ではなく、体を動かす役割を持つ脳の領域が弱っている可能性があります。

片付けは、物を出したり、仕分けたり、しまったり、捨てたりと、体をたくさん動かしますね。

運動をつかさどる脳の領域が十分に働いていなければ、片付けの重要性はわかっていても、「めんどくさい」と感じて、なかなか行動に移せなくなります。

この領域を鍛えるためにスポーツをするのもいいですが、日常生活の中でも、できることがあるのです。

たとえば、歩く速度を少し早める、いつもより大股で歩く、エレベーターではなく階段を使うなど、普段の動きに「少しだけ負荷をかける」ことを意識するだけで鍛えることができます。

ステップ4:「理想の部屋」を描く

夢を叶えるには、頭の中でイメージする「ビジュアライゼーション(視覚化)」が大切だと以前の記事でお伝えしました。

片付けも同じで、理想の部屋をつくることが目的なので、この方法はとても役立ちます。

片付けを始める前に、まず「どんな部屋で暮らしたいのか」を細かいところまで思い描いてみてください。

手帳に書いたり、家族に話したりすると、その記憶はさらに強くなります。

ここで働くのが、脳の「 RAS(ラス)」という仕組みです。

「RAS(ラス)」については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひ読んでくださいね。

努力・根性・運はもう不要!脳の仕組みを使って夢を叶える方法

ステップ5:片付け作業を細分化して、「エラーレス行動」を積む

散らかった部屋を一気に片付けようとすると、やることが多すぎて圧倒されて、動けなくなることがあります。

そんなときは、片付けの作業を「必ずできるレベル」まで細分化することが効果的です。

たとえば、リビングのテーブルを片付けたいと思ったとします。でも、「テーブルの上を全部片付ける」となると、ハードルが高いですね。

そこで、「置きっぱなしのこの封筒を今日は開ける」など、絶対にできる小さな行動にまで細かくしていきます。

これは「片付けの方法」ではなく、脳に新しい回路を作る方法です。

小さな「できた」で脳の回路を書き換える「エラーレスラーニング」

脳に新しい回路を作りたいときに使われる「エラーレスラーニング」という概念があります。

これは、リハビリテーションなどの分野でも取り入れられている考え方で、新しい行動を身につけるときに、「できた」という経験を積み重ねていく方法です。

脳は、新しい行動を繰り返すことで神経のつながりを作っていきます。うまくできた経験を重ねるほど、その行動の回路が強くなっていきます。

反対に、「できなかった」という経験を繰り返してしまうと、行動そのものを避ける回路が強くなることがあります。

たとえば、「今日はテーブルの上を全部片付ける」と決めて始めたのに、子どもが泣いて中断してしまったとします。

すると、「やっぱり片付けられなかった」という経験が残り、次に片付けようとしたときに、「どうせできない」と感じやすくなります。

だからこそ、最初から大きな目標を設定せず、「テーブルの上のペンだけ片付ける」
「ゴミを3つ捨てる」など、小さくしましょう。

それらを確実にやり遂げていくことで、「エラーレス(誤りなし)」の行動が積み重なります。

この繰り返しで、脳に新しい回路が作られていくのです。

ステップ6:できたことを記録する

片付けが続かない人は、できていないことに目が向きがちです。

脳は「できなかったこと」よりも、「できた」という記録を積み重ねることで、新しい行動を定着させやすくなります。

そこで、片付けをした日は、どんなに小さなことでも「できたこと」を手帳に書きましょう。

たとえば、「紙を1枚捨てられた」「扉をちゃんと閉められた」「床に落ちていたものを拾えた」など。

「それだけ?」と思うかもしれませんが、大切なのは量ではありません。「私は今日、片付けられた」という記録を、残していくことです。


実は私は手帳に、「ゴミを出した」「キッチンの床を掃除した」「掃除機をかけた」「洗濯物を畳んだ」など、できたことを記録しています。

毎日掃除機をかけていますが、それを「当たり前」にせず、「できたこと」としてカウントしています。

なぜなら、小さな「できた」を毎日脳に覚えさせていくことで、それが、片付けを続けられる自分をつくっていくからです。

あなたもぜひ、記録してみてくださいね。

まとめ

部屋の状態と夢を叶えることは、ダイレクトにつながっています。

「片付けられない」のは意志が弱いせいではなく、脳の仕組みが関係しています。

自分を責めず、日常の小さな工夫やエラーレス行動で「片付け脳」を育て、夢を叶える人生へとシフトしていきましょうね。

あなたの輝く未来が叶いますように、私はいつも応援しています。

 

参考文献
日本産婦人科学会「2.ストレスホルモン」
UCLA Newsroom「The Clutter Culture」
Edward K. Vogel, Andrew W. McCollough & Maro G. Machizawa「Neural measures reveal individual differences in controlling access to working memory」
綿森淑子、本多留美「記憶障害のリハビリテーション―その具体的方法―」

参考書籍
加藤 俊徳(2019)『片づけ脳──部屋も頭もスッキリする!』自由国民社
菅原 洋平(2019)『脳もデスクも超スッキリ! スゴい片づけ』すばる舎